みらい装備工房/MIRAI TACTICAL WORKSのタグの見方について
みらい装備工房/MIRAI TACTICAL WORKSの製品にはタグを付けています。タグにどのようなことが書いてあるか、気になっている方もおられるのではないかと思い、今回はタグに書いてあることについて取り上げたいと思います。
まず製品にタグを付けることがどの様な役割を果たしているかというと、制作する側としては、製品を縫製する際の糸の太さを確認したり、制作する製品の型・制作要領を確認したりする役割があります。お使い下さる方からすると、いつ、何処で、誰が、何を、どの様にして制作したかが分かるかと思います。
制作者の確認用という役割もあるので、製品を制作し始めると早い段階で、製品に縫い付けます。
※こちら「軽量チェストリグ2型が出来るまで」にタグ付けのタイミングを記載しています。
この様に、制作側、使用側ともに付いていると役に立ってくれるタグについて、これから写真を見ながらより詳しく記載内容についてお伝えしていきます。
みらい装備工房の製品タグの見方
写真は、弊社製品に縫い付けているタグで、次のような内容が記されています。
左側が製品に取り付けられたタグです。タグの記載事項を、それぞれ内容毎に青丸と数字で記載しました。右側の製品に取り付ける前のタグの番号も、左側の製品に取り付けられたタグの番号に対応しています。
「①」は糸の種類
「①」は、使用している糸の種類です。「A-A-59826A TypeⅡ」という糸を使用する製品に使用するタグには、元々記載されている項目です。「A-A-59826A TypeⅡ」は、A&E社の「 US Government A-A-59826 specifications」に適合した「A-A-59826」という糸の種類の中で「TypeⅡClassA」の糸を使用しているという記載内容です。この糸はボンド糸で、糸の撚れている方向と反対方向によじっても、糸がバラバラになりにくい糸です。ボンド糸ではない糸を同じようによじると簡単にバラバラになってしまいます。
「②」は糸の太さ
「②」は、糸の太さを表しています。「Size E」は、糸の太さを表す単位テックス(Tex)の大きさが「70-76」の間の糸です。「Size F」は、テックスの大きさが「90-112」の間の糸を指しています。「Size E」の糸は、「Size F」の糸に比べて細く、糸を通す際に大きな穴にならず、生地の厚さと糸の太さ、生地強度と糸強度の相性から、500Dの生地を使用する製品に使用しています。大半の製品は「Size E」の糸を使用しています。「Size F」の糸は、かなり強い衝撃が加わる個所などの特別に縫製強度の必要な部分の縫製に使用したり、1000Dの生地に使用したりします。
※テックスについてはこちら「機能毎に見るポリエステル糸(PET)とナイロン糸 ータクティカルギアを構成する繊維その3ー」の「引張強度」の部分をご参照ください。
「③」は製品を制作開始した時期
「③」は、いつ製品の制作を始めたかが記載されています。いつ制作を始めたかが記載されていますが、製品は生地を切り出してから縫製を始めると流れで作ってしまうので、制作された年月が記載されていることとほぼ同義です。
「④」は、製品の種類を表す製品番号
「④」は、製品番号を表しています。製品毎に番号を割り振ることで、決まった製品の型や制作要領を確認出来る様にしています。製品毎に番号は割り振られていますが、特別仕様や普及仕様、限定仕様などの追加による枝番号の付加、改良による型番変更することがあります。
「⑤」は、製品の大分類
「⑤」は、製品の大分類を記載しています。「MIRAI TACTICAL WORKS」は、ミリタリーやタクティカルで製品を制作しており、「⑤」はチェックが入っていないものが大半です。しかし、「MIRAI TACTICAL WORKS」を始める前から、消防向けのFR部材を主として使用したダンプポーチなどを制作していました。そのため、消防向けには「Rescue」という分類をしています。その他では、現在ではまだ制作していませんが例えば、より一般的な使用目的かつカジュアルな製品には「Other」という分類を使用します。
制作者のサインについて
制作者のサインが入っている製品もあります。「は」は取締役の早瀬で、「N」は工場長の石川です。何も記載のない製品もありますが、こちらは他のスタッフで制作した製品です。
※取締役早瀬についてはこちら「MIRAI TACTICAL WORKSは、世界に一つだけの車椅子製作から始まった」
※工場長石川についてはこちら「「製品一つ一つに対して新しい物を作る心持ちで取り組んでいます」工場長石川に聞く 制作への思い」
製品が梱包された袋のシールについて(番外編)
タグとは異なりますが、製品を入れた袋に記載されていることについて取り上げます。
製品を梱包してある袋で、写真の様なシールで封をされたものがあります。こちらには、ブランドのロゴマークや製品番号、製品名称、生産地などが記載されていますが、右下の赤字の数字が気になられた方がおられるかもしれません。こちらは、梱包時に梱包した製品の数を数える際に記載した数字で、梱包員数の確認に使用したものです。
今後、枝番号の増加などタグの記載内容が多彩になっていく予定ですので、製品を手に取る機会がありましたら、タグもご覧になってみてください。